――続編は最初から考えてましたか?
いや、まったく。
当時、プンゲ(3分ゲーコンテストの略称)には、公開前に応募作をタイトルだけ表示する制度があった。そこに『正しいゲームの作り方』の続編タイトルがあれば、受けるだろうと。
――つまり、ウケ狙いだった?
何か問題が?
――テーマについては?
プンゲの第4回から第12回までは、一次審査という足切り制度があった。
個人的には、コンテストという場に臨む上で、作者がそのようなプレッシャーを受けるのは好ましいと思っていたが、第13回からは廃止されてしまった。
では、そのような外的な圧力がなかったとしたら、作者はどこまで自作を作り込めばいいか。そういうことを考えた。
――ジャンルが前作「一本道ノベル」から「ノベルゲーム」に変わっていますが、これは?
明確なゲーム性があります。ある操作によってオマケシナリオが出現する。
――当時のコメントを見る限り、発見した人はいないようですが。
見えないゲーム性ということです。
つまり、あらゆる作品は一見ゲーム性が無いように見えても、誰も気づかないだけで、実はあるのかもしれない。そのような逆説を具現した。
――本当にそのような仕掛けがあるのでしょうか?
第15回では様々なシンクロニシティ(偶然の一致)があった。制限時間5分のゲームがあったり、応募数が作中のセリフと一致したり。
実は「イワド」という作品と、同じ謎解きを使ってるということもシンクロニシティの一つでした。
本作の場合は、名前と愛称です。名前欄に名前、愛称には正体を、他の二つは空白で構わない。
――しかしゲーム性があることを公表すれば「見えないゲーム性」がくずれてしまうのでは?
しょせん、干からびた抜け殻なのだから構わない。せいぜいピンで刺して観察すればいいでしょう。
――「主人公はこの後どうなったのか」という意見がありましたが。
コンテストの応募者ひとりひとりに、このようなドラマがある。そう見てもらえれば、と思います。